塾員 in 台湾
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 −台湾の社会ですが、この13年間で随分変化を遂げたと思われるのですが、鶴田さんの目から見て、何が一番変わったとお感じでしょうか。
 
 
そうですね、一番変わったのは、女性のファッションでしょう。赴任した当時は、今のように多くのブランドはなくて、主流だったのがエスプリや、香港系で、欧米や日本のものはほとんどありませんでした。
 今でこそファッション雑誌と変わらない服装になりましたが、1990年頃、街の中でよく見かけたのが、上下スウェットを着た若い女の子でした。特に運動をしている最中でもないのですが(笑)。
 女性のファッションは格段に洗練されてきましたが、それに比べて、台湾では男性のファッションは、なかなか進まないですね。台湾に着任した当時は、銀行でもネクタイをしている人が少なかった記憶があります。

 13年前はまだ地下鉄が開通していませんから、オートバイは今よりもはるかにたくさん通っていました。そのため道路はいつも交通渋滞でした。通勤時間帯は、オートバイの洪水でした。朝の7時半に天母にある家を出て、南西店まで着くのに1時間半はかかりました。

 なんと、冷房が入っているバスと冷房が入っていないバスとでは、乗車料金が違って冷房車は少々高かったんですよ。冷房車のバスには、前方に「このバスは冷房入りです」と書いてあるんです。冷房入りのバスを選んで乗らないと、暑くて大変でした。

 当時は喫茶店がほとんどなくて、100メートル四方に2件ぐらいでした。食後にコーヒーを飲む習慣がある私にとっては、昼休み時間内で飲みに行ける喫茶店が限られてしまったのが、少々残念でした。
南西店の入り口にて。 台湾でもやはり、
三越の入り口にはライオンが・・

−鶴田さん流の台湾生活の楽しみ方というのはどのような流儀ですか。鶴田さんにとって台湾の魅力はどんなところにありますか。


 今年4月に、娘の進学の関係で家族が先に日本へ帰りまして、今は単身で台湾暮らしを楽しんでいます。いま思えば、これまで家にまっすぐ帰らなかったのは、あいつらが居たせいだと…(笑)。私は毎晩お酒を飲むのですが、これまで、わが家にはストッパーが3人もいました。「(お酒を飲むのは)もうやめなさい」「食べるな、飲むな」のオンパレードで(笑)。
 
 今は仕事が終わったらまっすぐ家に帰って、自炊を楽しんでいます。今の楽しみは料理です。「今日の味噌汁の具は何にしようか」と考えるのが楽しみになっています(笑)。
 昨日は料理の本を1冊買いました。私の得意料理はカレーライスです。お酒と自分で作った料理を賞味するのが、目下、私の至福のときです。

 それから、台湾の魅力についてですが、私は日本以外では台湾に駐在したことがあるだけですから、第三国と比較して述べることができないのですが、台湾の魅力というのは、「衣食住に困ることがない」、ということでしょう。これは当たり前のようですが、駐在する身にとっては助かります。
 台湾では、衣食住に関して、自分の欲求が大体充たされます。もし私がアフリカ駐在だったら大変なことになっている(笑)と思うのですが。台湾、そのなかでもとりわけ台北のような大都市では、何も不自由なく暮らせます。これは、とても魅力的で有り難いことだと思います。


−最後になりますが、台湾三田会会員に一言お願いします。


 将来、日本へ帰国することになりましたら、台湾三田会東京支部を立ち上げようと思っています。既に日本へ帰国した人も、これから帰る予定の人も、台湾は第2の故郷になることでしょう。そういう塾員たちを集め、東京支部をつくって、台湾の思い出を語り合うのは、最高の酒の肴になること、間違いなしです。

−鶴田さんは、将来の東京支部初代支部長ですね。今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

                                    
                                                  



新光三越百貨店 南西店 http://www.skm.com.tw/s01/skm.htm
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