2008年度 慶早合同新春会につて  


  今年も慶早合同新春会には大勢の卒業生が集まり大変賑やかな会となりました。
毎年恒例となっております、日台交流の場でご活躍されていらっしゃる方々をお招きしての講演会ですが、今回は台湾日本研究学会理事長の許水徳先生がご講演されました。

  許先生は、台湾国立政治大学をご卒業後、日本の東京教育大学(現 筑波大学)に留学されたご経験もあります。また、台湾にお戻りになられてからは、高雄市長、台北市長、台北駐日経済文化代表処代表、中華民国考試院長の要職をご歴任され、台湾の政治・行政に大変なご尽力をなさった方です。
今回は「日本留学の思い出と水車哲学」と題した非常に興味深いお話を聞くことが出来ました。
中でも特に印象に残ったのが”水車哲学”です。

  ご存知の通り、水車とは水の流れで羽根車を回し、水を汲み上げ田畑に流し込む機械装置のこと。
然しながら、水車が水中にどっぷり漬かっても、宙に浮いても、水車は巧く水を汲み上げることができません。水車は、丁度良い具合で水中に沈んでいることが必要だからです。ご講演の中で許先生は、「政府は国家の水車である。」とお話されました。宙に浮かぶ理想と、水中の現実の間で、政府が丁度良い位置づけを保つことが、実りある収穫即ち国家繁栄につながるということでした。
  
  これは国家のみならず、会社、人生にとっても同じことなのではないでしょうか?
ふと思い出したのが、今年3月22日に行われた総統選挙です。
ちょうど8年前、民主主義の理想を大々的に掲げた民進党が選挙で勝利を収めました。当時、日本に留学中だった私も春休みで台湾に戻り、民進党政権誕生に沸く台湾社会を目の当りにしました。
そして今回、立法院選挙、総統選挙と民進党は大敗を喫し、馬英九氏率いる国民党が政権を執ることになりました。これは、民進党政府が、国民の理想と現実の間で、丁度良い位置づけを保てなかった結果だったのではないだろうかと感じました。

  私は、台湾は非常に動きの早い社会であると考えております。今回の政権交代により一層加速を強める台湾は、今後ますます面白くなっていくのではないでしょうか。仕事柄、様々な台湾進出企業を拝見してまいりましたが、最近はこれまで台湾にはなかった業種、産業の新規進出も増加しております。
  ますます流れの速さを増すこの台湾において、私も許先生の”水車哲学”を胸に、現実に沈むことなく、常に高い理想を忘れず、フル回転する水車のようにチャレンジしてまいりたいと思います。

                                                                2002年 法学部卒 笵 拾仚


台湾三田会 陳会長 台北稲門会 川田会長
台湾日本研究学会 許水徳 様 記念品贈呈
乾杯の音頭 宗澤副会長 SWING HOUSE BAND+1
司会者 小松さん 会場の様子
会場の様子 会場の様子
会場の様子 会場の様子
慶應エール 早稲田エール
当日の写真はYAHOO PHOTOSにも掲載しています。
※スライドショーで見る際には、BGMが流れます